こんにちは、numaです。
先日、2020年の吉例顔見世興行を観劇しに、京都の南座へ行ってまいりました。
運営会社の松竹からアナウンスされている通り、コロナ禍での歌舞伎興行では徹底した感染症対策がとられています。
新型コロナウイルス感染拡大防止および感染予防対策について(チラシ裏面)
実際に南座へ訪れると、大小さまざまな感染症対策が実施されていました。
どのような感染症対策がおこなわれていたのか、記録として書き残しておこうと思います。
時期や場所によって感染対策は異なる場合がありますので、あくまでも参考にご覧ください。
劇場の様子
コロナ禍でも南座では例年通り、まねきの看板があがっていました。
顔見世に来たことを実感できる瞬間です👏

第二部の開場が始まる14時ちょうどにきましたが、定刻より早めに開場していたのか混雑は少なめ。
スムーズに入場できました。

南座へ入場する際の感染対策
イヤホンガイドの貸し出しは南座の入り口のみ。保証金もなし
イヤホンガイドの貸し出しは、南座の入り口正面に設けられた窓口だけでおこなっているようでした。利用をお考えの方は入場前に借りるのがよさそうです。
なお、通常は700円程度のイヤホンガイド使用料+1000円の保証金を渡してイヤホンガイドを借りますが(保証金は機器の返却時に返金されるしくみ)、今回はイヤホンガイド使用料のみ渡す形でした。
お金のやりとりの機会を減らすためだと思います。
チケットは自分でもぎる
観劇チケットは各自でもぎって、係員の方がお持ちの箱に入れる形でした。
あらかじめ手元にチケットを出しておくと、スムーズに対応できそうです。
手をアルコール消毒し、マスク着用の呼びかけもあり
チケットをもぎってから進んだ先にアルコール消毒液が用意されているので、手元を消毒します。
この際にマスク着用のお願いもありました。
南座館内の感染対策
売店は1階のみオープン。各階売店は閉鎖されている
一番気になったのが売店の有無。
見て回ったところ、1階に南座のお土産等をあつめた広い物販スペースを設けており、他の階にある売店は閉鎖されていました。
物販スペースは広く、アルコール消毒液も置いてあったので、安心して見て回ることができました。
とらや や なだ万茶寮は開いている
1階にあるとらや や なだ万茶寮の売店も開いており、お弁当やお菓子が売られていました。
ただ、今回の顔見世興行では劇場内の食事が禁止なので、持ち帰り専用のようです。
なだ万茶寮のお店では、終演後に人数を限って食事の予約を受け入れているとのことでした。
番附(公演プログラム)の見本はなく、試し読みができない
通常、番附が販売されている窓口には見本が置いてあり、購入前に中身を確認できますが、今回は見本がなく試し読みができません。
トイレの待機列にソーシャルディスタンスの目印あり
幕間にトイレに行ったところ、順番待ちで並ぶ場所にソーシャルディスタンスを確保した目印が貼ってありました。
トイレにはアルコール消毒液もあります。
開演前の係員からの案内も、声を出さずにおこなわれる
通常、開演前には劇場の係員から上演中の観劇マナーについて案内があります。
今回は観劇マナーについて書かれたボードを掲げてまわるのみで、声を出した案内がありませんでした。
ボードの内容をきちんとは確認できていませんが、マスクの着用について書かれていたりと、コロナ対策用の特別仕様だったように思います。
座席の前後左右が空席なのは、意外と気にならなかった

今回わたしが席をとっていたのは3階席前方でした。
南座の3階は席の前後の間隔が狭い印象があったのですが、今回は特に何も感じずに観劇できました。前後左右が空席になっているからかもしれません。
近くに人がいないことに若干の快適さも感じながらも、客席がいっぱいだったときのことを恋しく思いました。
コロナ禍でも俳優の芝居は変わらない
第二部では、『寿二人猩々』と『熊谷陣屋』が上演されました。
個人的な話ですが、2018年後半から妊娠・出産を経て、しばらく観劇をお休みしていました。
2019年9月の南座『四谷怪談』は観劇していますが、今回の顔見世興行で歌舞伎らしい華やかな舞踊と時代物の演目を見られて、本当に嬉しいです。

『熊谷陣屋』は歌舞伎を見始めたばかりの時期に見た記憶があるのですが、改めて見るとなかなか複雑なお話ですね。
「敵方の武士を助けるよう主君に命じられて、自分の子を身代わりとさせる」流れは、今の時代では受け入れがたいと思うのですが、俳優のお芝居を見ていると不思議と涙していました。
特に幕切れの片岡仁左衛門丈からは目が離せず、熊谷直実の悲しみを痛切に感じて…
やっぱりすごいお方だなあ、この方のお芝居をもっと見たいなあと改めて思いました。
まとめ
南座の感染対策は相当徹底されていて、「絶対にクラスターを発生させない」という運営側の思いを感じました。
もちろん、マスクの着用や体調不良時は観劇を控える、など自分自身の感染対策をおこなった上で…ですが、安心して観劇できます。
コロナ禍であっても、今後も歌舞伎が上演される限りは感染対策をしっかりして、観劇したいと思います。
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