中村勘九郎丈・七之助丈出演の東大寺歌舞伎を観ました【2018年9月】

こんにちは、numaです。
2018年9月24日に中村勘九郎丈・七之助丈が出演される東大寺歌舞伎を観にいってきました! 観劇から時間が経ってしまいましたが、その様子をまとめます。

目次

東大寺歌舞伎とは?

その名の通り、奈良県東大寺の大仏殿の前でおこなわれる歌舞伎です。

過去には、松本白鴎丈(当時九代目幸四郎)が2008年に『勧進帳』の弁慶をつとめた1,000回目の記念として、また平城遷都1300年祭のプレイベントとして、東大寺大仏殿の前で奉納歌舞伎をおこなわれています。

歌舞伎美人
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東大寺の大仏殿の前で歌舞伎をおこなうのは、web上で調べられる限りでは松本幸四郎丈の奉納歌舞伎と今回の中村勘九郎丈・七之助丈の2度の様子。
numaは勘九郎丈・七之助丈が東大寺の前で舞踊の演目をおこなうというニュースを見たときに、見逃したくない…!と思い、急いでチケットを取りました。

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当日の会場の様子

お昼から奈良入りし、開場の時間まで奈良駅近辺を散策。
東大寺に向かうころには日が傾いており、日中の活気ある空気が静まって厳かな雰囲気が漂い始めていました。

金剛力士像もライトアップされています。迫力。

東大寺の大仏殿からは、大仏(盧舎那仏)のお顔が覗いていらっしゃいました。開演を待つ間ずっと見つめられているようで、とても不思議な感覚。

座席

チケットはチケットぴあなどの各プレイガイドで発売されており、SS, S, A席の席種がありました。幸い残席があったので、わたしはSS席を購入。

座席は西ブロック・中央ブロック・東ブロックと3つのブロックに分かれており、入り口もブロックごとに異なっています。座席は大仏殿と平行に長く広がるような形で配置されていました。

中央ブロック・SS席10列目付近からの眺め。

舞台は高い位置に設けられていて見やすいように配慮されていましたが、正直なところ、東ブロック・西ブロックは舞台を横の方向から見る形になるので見づらそうでした。席数を確保するためにも、舞台よりも広がった形で座席が配置されるのは仕方ないとはいえ、東西ブロックの後ろに配置されているA席などは結構見にくかったのでは…。

中央ブロックでもS席より後ろでは、参道に設置されている灯篭と舞台が重なって見えないときがあったようです。
あまり観劇に適した場所ではない野外の上演ですので、舞台が見にくいのは承知の上でしたが、死角ができてしまうのは勿体なく感じてしまいました。

演目の感想

当日は舞踊の演目が二本、上演されました。

藤娘

出演:中村七之助丈

色気もありつつ可愛らしいという、歌舞伎ならではの女方が観られる舞踊で、個人的に大好きな作品です。

はんなりとした色香の漂う七之助丈の藤娘。 指先の動きや視線の流し方ひとつひとつが細やかで美しく、決して見逃すまい!とオペラグラスで凝視していました。浮世絵などから出てきたかのような世界観。
途中、お客様の前でご挨拶をするようにお辞儀したあと「おお恥ずかし」とでも言いたげに恥ずかしそうな仕草をするのですが、それが最高にキュートでした…

雄大な大仏の前でふわふわと美しいものが舞っている世界が不思議で、目を離せませんでした。

連獅子

出演:中村勘九郎丈、中村虎之介丈、中村小三郎丈、片岡亀蔵丈

藤娘の舞台美術として設置していた藤の花をあしらった背景を取り払い、大仏の足元まで見える状態へ変更。よりいっそう大仏の存在感が増します。
舞台が暗転する際は背後の大仏に照明が当てられ、浮き上がって見えます。虫の音以外聞こえてこない世界で大仏を見つめていると、幽玄の世界へ誘い込まれるようでした。

肝心の舞台はというと、勘九郎丈の動きがとにかく凄くて…! 一挙手一投足に見入りました。特にクライマックスの毛振りのときは、全身がバネになっているのではないかと思わされるような力強さ。
2019年の大河ドラマの撮影で体を絞られており、より精悍な顔つきになられた結果、その容貌からますます親獅子の厳格さを感じました。

以前は中村勘三郎丈のもとで子獅子をつとめる側だった勘九郎さんが、親獅子をするに足る俳優となられたのだなあ…と思い、一人で胸が熱くなったり。こういった変化を見られるのも、歌舞伎の面白さかもしれません。

シネマ歌舞伎『連獅子』から、勘三郎丈・勘九郎丈(当時勘太郎丈)・七之助丈の映像を。

また、間狂言の片岡亀蔵丈、中村小三郎丈のやりとりも面白かったです! 子獅子の虎之介丈も良く、お稽古で習ったことを丁寧に心をこめて演じていらっしゃることが伝わってきました。きりっとした目鼻立ちが印象的な俳優さん。これからの活躍が楽しみです。

終演後の挨拶

連獅子のあとは舞台が明るくなり、中村勘九郎丈が主導して虎之介丈と共に観客にむかって一礼。のち、片岡亀蔵丈、中村小三郎丈も出てきてくださり一礼、長唄の方々へ拍手、そして大仏に向かって一礼されていました。

体力を使う毛振りのあとで少しふら付いている虎之介丈と反対に、平然とされておられるように見える勘九郎丈が印象的でした。恐ろしい身体能力です…。

まとめ

歌舞伎を屋外で見るというめったにない機会に立ち会うことができ、印象に残る観劇でした。
また機会がありましたらぜひ、体験したいです!

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