祇園祭 山鉾巡行 前祭の感想【辻回し等、見どころ】

2016年7月17日、三連休のさなかに祇園祭の山鉾巡行を観覧しました。
長年行きたいと思い続けていて、今年は三連休と重なったこともあり念願かなって行ってまいりました!
そのときの感想などを記録します。

目次

山鉾巡行とは

言わずと知れた日本三大祭のひとつ、祇園祭。
7月1日から31日まで一ヶ月間にわたって続き、数々の行事のうち有名なものが17日と24日におこなわれる『山鉾巡行』です。
17日の前祭は9つの鉾と14の山が、24日の後祭は1つの鉾と9つの山が京都の町を巡ります。

ちなみに山と鉾の二種類あり、見分け方があります。
鉾…屋根の上に、鉾柱という長い柱がある
山…木が立てられている
曳山(ひきやま)という鉾のような大きな山もありますが、よくみると鉾とは違い、木が飾られています(^.^)
こちらは曳山のひとつ、岩戸山です。
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観覧した場所

わたしは8時半ころに四条河原町の交差点(阪急河原町駅すぐ)に到着し、始まりを待つことに。
2016年は三連休の中日に重なっていたこともあり混雑していたようで、到着した時点で結構な人出がありました。
ちなみに山鉾巡行がおこなわれる際の京都は暑いので、暑さ対策は必ずなさってくださいね!
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山鉾巡行の開始時間は9時。前祭では四条麩屋町で長刀鉾(なぎなたぼこ)のお稚児さんが注連縄切りをおこない、山鉾巡行がスタートします。
四条河原町の交差点では注連縄切りを見ることができませんので、もしもご覧になりたい場合は阪急烏丸駅・地下鉄四条駅から徒歩で東へ歩き、四条麩屋町付近に向かってくださいね。

先頭の長刀鉾は四条麩屋町から東へ進み、9時半頃に四条河原町に到着し辻回しをおこなって北の方角へ方向転換します。わたしは辻回しが見たかったのです…!!(^O^)

辻回しとは

実は、鉾は直進しかできない構造になっています。
鉾を保存している町へ戻るには方向転換する必要があるので、四条河原町、河原町御池、新町御池の交差点で方向転換をおこないます。(お祭りが終わって帰る最中の四条新町でも見られます。)

直進しかできず、たいへん重い鉾(10トン近くあるものもあるのだとか…)を90度回転させることを辻回しといい、見どころのひとつとなっています。

辻回しをおこなう流れ

長刀鉾が到着し、辻回しの準備が始まります。

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濡れた竹を前輪に敷きこんで滑りをよくします。
また、鉾を引く曳き手さんが前輪に縄をかけて、方向を変える準備をおこないます。

こちらの写真は放下鉾(ほうかぼこ)の辻回しの様子です。
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前輪にいる音頭をとる方たちの合図で、総勢40~50名はいるという曳き手さんたちが一斉に引っ張ります!! 長刀鉾の辻回しの際、撮影した動画がこちら。

辻回しは少ない回数でできればできるほど縁起が良いそうで、3回で回りきる鉾がほとんど。曳き手さんたちはぶっつけ本番で辻回しをおこなっているらしく、見ている側も緊張感があります…!

なお、辻回しは鉾と、曳山という大型の山が方向転換をする際におこないます。
鉾や曳山よりも軽い舁山(かきやま)は、曳き手さんたちが肩にかついで方向転換をおこなっていました。

山鉾巡行のその他の見どころ

なんといっても、懸装品(けそうひん・山や鉾を飾る幕のこと)で飾られた山や鉾の美しい姿。
懸装品の中には重要文化財などもあり、華麗な装飾は山や鉾が「動く美術館」と言われる由来となっているそうです。

それぞれに個性があるため、ギシギシと動く山や鉾を見物していると、あっという間に時間が過ぎていきます。

※懸装品は年によって異なります。写真は2016年の山鉾巡行のものです。

美しい懸装品

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長刀鉾の見送(みおくり)。江戸時代の絵師・伊藤若冲の「旭日鳳凰図」を原画としており、若冲の生誕300年となる今年に新調されたそうです。

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鶏鉾(にわとりぼこ)は16世紀頃にベルギーで製作されたタペストリーを忠実に復元したものが見送として飾られています。
現物は重要文化財に指定されており、後祭りで巡行する鯉山の懸装品と対をなしているのだそう。日本の鉾に昔の西洋のタペストリーが飾られている姿はなんとも不思議な感じ。

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放下鉾の胴掛け(どうかけ)はインド・ペルシャ絨毯の復元品です。

カラクリなどの装飾

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山鉾の中でもちょっと変わった蟷螂山(とうろうやま)。カラクリ仕掛けになっていて、山が進むと山の上にいるカマキリが動きます。
手足が動くのはもちろん、羽まで動いていてかなり凝っており、可愛らしさも感じます(^^)

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ちなみに長刀鉾以外のほとんどの鉾では、稚児として人形が飾られています。文楽のように人形師が動かしているものもありました。

凝った形状の鉾

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前祭の山鉾巡行の一番最後は、船鉾(ふなぼこ)という船の形をした鉾が登場します。
わかりやすい形で撮れた写真がなかったのですが… いままでの鉾とは趣がことなり、格好良い!

趣向をこらした行事も

他の鉾とは異なる趣向を見せたのが綾傘鉾(あやかさぼこ)。綾傘鉾そのものも傘の形をしたユニークな鉾で、列は山鉾巡行の中で最大級の長さを誇るそう。

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綾傘鉾にも長刀鉾のように生き稚児さんがおり、総勢6名。徒歩で巡行します。

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綾傘鉾の最大の特徴は、「棒振り囃子」というお囃子がおこなわれること。棒振り(写真の中にいる赤い髪の人)が棒を振って舞い踊り、厄を払い飛ばします。
だんだんと動きが早くなっていく棒振りは圧巻でした。わたしは四条河原町の交差点で棒振り囃子を観ることができましたが、宵山でも実演されているそう。ぜひご覧いただきたいです。

列の方々の衣装

巡行に参加しているかたの浴衣やハッピのデザインは、山や鉾によって違います。見比べるのも面白いですね(*^^*)

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こちらは長刀鉾の曳き手さんたち。「長」という字を力強くシンプルに書いています。

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函谷鉾(かんこぼこ)のハッピには背中に文様が描かれていて印象的。

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太子山の曳き手さんのハッピは「太」という字をあしらったもの。鳥のようにも見えて、個人的に好みでした。

歴史を感じる華やかなお祭り

8時半に待ち始めてから、9時半に先頭の長刀鉾が四条河原町の交差点に到着して、全ての山や鉾が過ぎ去る頃には12時になっていました。
述べ3時間半も立ちっぱなしでいたためさすがに足が疲れましたが(^^;)鉾や山の美しさと迫力に魅了され、長いとは感じませんでした。
うまく思ったことを言葉に出来ないのですが… 1000年以上続く歴史の重みを感じ、深く感動する行事でした。

また機会をみつけて、ぜひ見にきたいです。

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祇園祭 | 京都市観光協会(外部サイトへ)

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